家族でアメリカへ

 我が家は長女のリハビリのため、頻回に飛行機で大阪まで日帰りします。このため子供たちは飛行機慣れしていますが、所詮片道1時間以下の短時間フライトです。でも今回は乗り継ぎ便も合わせると14時間のフライトです。自力では座位保持できない長女のこともあって、奮発してビジネスクラスにしました。3日間ほとんど寝ていなかったので、家内も私も機内で少しは休めるだろうと思っていたのですが、子供が寝かせてくれませんでした。障害のある長女は睡眠導入剤で寝かせましたが、次女はハイテンションです。どこに行くのかも分かっていなかったのでしょう、家族みんなでの旅行が楽しかったようです。結局一睡もせずにミネアポリス到着。飛行機から降りると脚がふらふらです。体力温存のために貴重なわずかばかりの貯蓄からの航空運賃でしたが、結局エコノミークラスでも変わらなかったようです。入国審査はビザ入国でしたので、いつもより少し時間がかかりましたが無事に終了です。それにしても医師というだけで入国管理官の態度が全然違います。成田で預けたスーツケースを一旦引き取って税関申請をしますが、沢山の荷物で到底一人で一度に運べません。台車を借りる列に並んでいると、かなり訛のある黒人の空港職員?と思われるおじさんが台車で運んでやるよとのこと。お願いして最後にチップを渡すと足りないと言うではありませんか。はあ?奮発してスーツケース1個に2ドル、合計10ドルあげたじゃない。理由を聞くとスーツケースが重かったので1つにつき3ドル要ると言います。じゃあと5ドルでいいわけ?そうだ。ということで5ドルを追加です。いきなり変なやつに会ってしまいました。よく考えれば追加で払う必要など全くなかったわけですが、睡眠不足の脳はそれ以上の抵抗余力がありませんでした。
 次女は入国審査を無事に終えてMadison行きの飛行機を待つ間に寝てしまいました。大荷物と次女のおんぶで私の体はつぶれそうでした。家内は5年ぶりのミネアポリスです。Mayo留学の時に新鮮な気持ちで夫婦二人降り立ったあの時が走馬灯のように頭に浮かびます。アメリカで初めて入ったレストランである、ミネアポリス空港のマクドナルドがまだありました。その斜向かいにはカリブコーヒーもあります。例の独特の匂いにしばし・・・なんて言っている場合じゃありません。長女のおむつ交換のためにトイレを探しながら、Madison行きの搭乗ゲートまで今にも肩から落ちそうなノートパソコンと両手いっぱいの大荷物、そして背中の次女を落とさないようにしながら広いミネアポリス空港を歩きました。ちなみに手荷物はパスポートなど貴重品を入れた私のショルダーバッグ、長女の吸引機を入れたスーツケース、次女のぬいぐるみが一杯につまったスーツケース、私と家内のノートパソコンが合計2台、子供たちの着替えとオムツ・長女の経管栄養剤・次女のおやつとレトルトご飯などがぎっしりと詰まった大きなショルダーバッグが2つです。吸引機の入ったスーツケースは家内が持ってくれて、長女の車椅子を押します。私は次女を含めそれ以外の手荷物担当です。両肩にたすきがけ、片手で次女のお尻を支えながら、もう片方で次女のスーツケースを運びます。熟睡している次女の涎が首筋から背中に流れて何とも不快です。この時両肩にできた内出血はしばらく消えませんでした。


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