出会い

 フーッと思わずもれる大きなため息とともにやっとの思いで椅子に座ると、Madison行きの飛行機を待つ間に物凄い睡魔が襲ってきました。長女の赤い車椅子と、大荷物を持ってボーっと疲れ果てたように座りこんでいるアジア人は目立ったようです。Madisonに住むという大変親切なご夫妻が声をかけて下さいました。私は脳神経外科医で、Wisconsin大学に留学をしに一家で東京からやってきたことをお話しました。彼らはコロラドにいる息子さん宅からの帰りだそうで、何かのご縁ですから何かあればいつでも連絡して下さいといって住所と電話番号を教えて下さいました。私も手帳の切れ端に住所と電話番号を書いてわたしましたが、所詮社交辞令で今後会うことなどあり得ないと思ってしまったのが悪かったのかも知れません。あまりにも疲れていたこともあってせっかく書いて頂いたメモをどこかに無くしてしまったのです。新居に住んで2週間程経ったある日、このご夫婦からお花が送られてきました。知り合いなどいないのにと思ってお手紙を拝見すると、あの日ミネアポリスでお会いしたBryantさんご夫妻でした。ご夫妻は親日家であり、日本を旅行されたこともあります。イースターサンデーやクリスマスなど滞在中何度も招待して下さり、家族ともども大変お世話になりました。またいつか訪ねてお話したいと思ってやみません。


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