障害児と学校

 今度は長女のKinderです。運転免許試験場で会ったご婦人に頂いた名刺を頼りに、小学校に電話をしました。紹介してもらったGinsberg先生とお話することができましたが、彼女が既に連絡してくれていたようで、こちらの事情もほとんど分かってもらえていました。いつでも都合の良いときに学校に来てくださいと言われましたので、早速翌日にお邪魔することにしました。電話でしたが大変親切に対応して下さいましたので、娘を預ける心配が少し和らぎました。翌日家族で学校にお邪魔すると、そのGinsberg先生が出迎えて下さいました。大柄で髭面、あのタクシー運転手のような感じです。寒いからすぐに校舎に入るように言われ、校舎の中で自己紹介です。応接室に通されて驚いたのは、副校長、障害児を受け持つ教諭、理学療法士、作業療法士、看護師の皆さんが私たちを待っていて下さったことです。皆さんが私たちを歓迎してくれました。話をしているうちにCharlieが言っていたMadisonの教育水準が非常に高いということが実感できました。彼らは私たちに、どのような教育を望むのか、どのような事に気をつけなければならないか、経管栄養のケアをどうするか、日本でのリハビリはどうだったかなど質問して、非常に細かいことまでdiscussionしました。経管栄養のケアは家内が毎日学校に行って行うことになり、おむつ交換など経管栄養以外のケアや授業のアシストにはspecial teacherがマンツーマンで付いてくれること、学校までは車椅子ごと乗れるスクールバスで通学すること、家内は英語を話しませんので万が一の時には通訳が学校に来ることなど、いずれ日本に帰ってしまう外国人で、しかも重度の障害児に対してでも全て無償でやってくれるという、何とも信じられない大変ありがたい教育を受けられることになりました。
 家内は毎日電子辞書片手に孤軍奮闘していたようです。日本人の子供も他に3人ほどいましたので、その親御さんとも仲良くなり色々と助けてもらいました。長女も学校が楽しかったようです。広い廊下、広い教室の学校です。日本では狭くて思う存分使えなかったリハビリ用具もドンドン使えました。同級生は勿論、学校全体の子供達も長女にとても親切でした。みんな長女の名前も覚えてくれて、スーパーで買い物している時も遠くから名前を呼ばれて驚いたことがありました。担任のMiller先生は大変優しく、賢いアメリカ人女性で長女も家内も大変お世話になりました。障害児は他にもいましたが、一人一人にWisconsin大学関係のspecial teacherがマンツーマンで付いており、子供の症状に合わせて授業の補習をしたりなど、どの子供にも平等にできるだけの教育をしようという姿勢が伝わってきました。Charlieが言っていたことが良くわかりました。Madisonの教育水準は非常に高いです。



マディソンの小学校


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